カトリック仙台司教区 Catholic Sendai Diocese

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ニュース

カトリック 仙台教区報 No.261

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主は必ず来ます

毎年、待降節が始まると元寺小路教会大聖堂入口に掲げられる聖誕シーン(一部) 

「もういいかい」、「ま~だだよ」、「もういいかい」、「もういいよ」。これは、「かくれんぼ」をして遊ぶとき、鬼になった子どもと全員がかけ合う言葉です。参加者がみな静かになってから盛り上がるために、鬼になった私は「行くぞ、準備ができているか」を意味するフレーズを言うこともありました。

教会は、今年11月30日、クリスマスを準備する待降節に入りました。待降節は、私たちの心と思いを、世の終わりにおける主イエス・キリストの来臨と、クリスマスにおける主の誕生の祭典へと向かわせる準備期間です。主イエスは、すでにこの世を訪れました。2000年も前、主イエスは人々に「悔い改めよ。天の国は近づいた」(マタイ4:17)と神様とその価値観へと心を向かわせようと呼びかけました。私たちにこの主の呼びかけが響き、自分の生活や人との関わりに何か気づきや決意をもたらします。しばしば、映画化される程、急激な人生転換という人の回心の物語を聞くこともあります。

そっとした回心が私たちの知らないところで起こります。気付いていたら、自分の周りでも起きます。使徒パウロが「霊の結ぶ実」と呼び、回心の現れとして、愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制をあげます(ガラテヤの信徒への手紙 5:22-23)。人から伝わってくる寛容や誠実が私たちに計り知れない励ましを与えてくれます。

「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」、これは主の最後に残された言葉でした(マタイ 28:20)。私たちはこの主イエスの言葉に結ばれて、神が共にいてくださるという真実を生きようとしていますが、それを疑う時もあります。襲いかかる大きな悲しみがあるとき私たちは、神様は理不尽だと怒りの気持ちを覚えます。「なぜ、神様はこれを許されるのか」と泣きながら訴えることもあります。誰かが私たちの嘆きを聞いてくれたおかげで前向きに生きる決断ができ、人生の涙の谷を通り抜けられたことがあります。「あなたは一人じゃない」、この一言は天の声のように届いた時があります。

神による救いの計画はすでに始まり、進行中です。待降節を過ごし、私たちがその神様の存在とみ旨を知り、人として生きていく価値を再確認し、救われている存在でありながら、お互いに助け合える存在でもあることを、共に気づきたいです。準備が不十分であっても「主よ、わたしはあなたをお迎えするにふさわしい者ではありません。おことばをいただくだけで救われます」と叫ぶなら、主は喜んで来られる、私はそう信じています。

仙台教区 教区長 ガクタン エドガル司教

 

正義と平和協議会全国大会 仙台で開催される

「第42回日本カトリック正義と平和全国集会2025仙台大会」は、聖年と同じテーマ「希望は欺かない」で準備された。しかし、仙台司教区ならではどんな大会ができるか、全国の皆さんに何が提供できるか、私たちが分かち合うことができるものは何かという準備委員会の討議の中で、「希望は欺かない」という大きなテーマから3本の大きな柱が建てられた。

1. 大震災から14年、つなぐ思い

全国の皆さんに大震災の時から支えていただいたことが忘れられない。そのことを感謝したい。
それを表現したい。
全国の皆さんを迎える一つの大きな目的は、苦しみの中で支えてくださったことに、ありがとうと感謝したい。

2. 国籍を超えた共同体をつくる

現実の中にある、国籍を超えたこの豊かさを感謝する。イエス・キリストを中心にして、言葉、文化などの違いを乗り越えて一つの共同体をつくる。

3. 平和への道を求める

足元から始まる平和の動き、平和への道。
これを実現するために、3日間の計画がたてられ、全国から述べ 250 人余りが参加した。

 

10月11日(土)見る/フィールドワーク

出向いて、現実を見、体験者の生きた声を聴く。
仙台司教区の3か所で、信者の生の声を聴く。

福島県南相馬方面―

カリタス南相馬で支援活動
を続けるメンバーから福島県浜通りから原発事故と未だに継続しているその被害について学ぶ。原発事故から、時間がたつとともに、支援活動の内容が変わっていき、今この時に求められていることに対応していっている姿に心を打たれたと参加者が語ってくれた。

岩手県大船渡・南三陸方面―

元カリタス大船渡ベース長・菅原圭一さんから、大震災と津波の当時の話を聞き、復興の様子を見学するとともに、津波の伝承館を見学した。このグループには、韓国の社会問題委員会の代表者と2人の記者の計23人が参加していたが、この伝承館では英語による解説者が丁寧に応対してくださり、特に、韓国からの参加者には、大変喜ばれた。

宮城県石巻・女川方面―

31人の参加者の中には、修道女、修道者の姿が多かったグループで、女川を見学した。女川原発 PR 館に行き、説明を聞いたあと、砂浜に出て、そこから原発建屋を近くから見ることができた。その後、バスに乗り、石巻教会に行くまでの間、女川で事故が起きた時、この山の中をバスで逃げることができるのか、と心配する声も上がった。

石巻教会で分かち合いをした。初めての人ばかりで、まず自己紹介と感想などをわかちあった。市民グループの人々とともに話し合いなどができたことは、カトリック教会の信者にとっては、新鮮な体験だったようだ。

女川原発の人は、安心材料ばかりを提供しているが、それが、意図するように機能するのかが疑問だという心配の声もあった。


10月12日(日)判断/開会式・基調講演・シンポジウム

キリスト者として、どういう価値観をもって、どう判断していくのかの1日が始まった。

年間第28主日のミサ

9時半から、仙台大会の参加者とともに、元寺小路教会の信徒が参加し、ガクタン エドガル司教主司式で、ウェイン・フランシス・バーント那覇司教と司祭団が加わり共にミサがささげられた。

説教でガクタン司教は次のように語った。

日本全国の各地から、参加してくださっている皆さん、ありがとうございます。韓国から来られた皆さんもありがとうございます。この元寺小路教会では、10月5日に「インターナショナルミサ」をいたしました。その時、参加なさっていた人々は、38か国からの人々がおられました。今日の福音では、イエスが10人の人をいやされましたが、感謝をしたのはサマリヤ人1だけでした。イエスは「この外国人の他は帰ってきた人はいないのか」と言われました。

私たちは、今30か国の人はいないかもしれません。しかし、私たちは、いろいろな違いがあったとしても、同じ地球で、同じ空気を吸っています。一人一人を大切し、私たちのうちに平和があるように、平和がこの世界に実現するようにこの感謝のミサを捧げましょう。

開会式

ガクタン司教の開会挨拶
日本全国各地から、韓国から、ベトナムから、仙台教区へようこそ!(韓国語、ベトナム語、タガログ語で同じ挨拶を繰り返し、拍手、拍手であった)第42回日本カトリック正義と平和全国集会 2025 仙台大会を仙台で開催できることをうれしく思っています。

14年前、仙台は、東日本大震災により、甚大な被害を受けました。今、お集まりの皆さんの中の85人の方は、1日目の3つのフィールドワークを体験なさいました。今日と明日の基調講演、分科会では、この課題をより深く理解していただきたいと思い、判断する日とし、この大会は、派遣ミサで終わります。

「希望は欺かない」というパウロの言葉を引用し、教皇フランシスコは聖年のテーマにこれを選ばれました。私たちの活動は、必ず、実現し、結果を生み出します。聖霊の恵みが豊かに皆様の上に降り注がれますように。

この力強いあいさつの後、参加された勝谷太治札幌司教、ウェイン・フランシス・バーント那覇司教、森山信三大分司教のそれぞれの短い挨拶と、残念ながら出席できなかった松浦悟郎名古屋司教のメッセージが代読された。

この後、基調講演とシンポジウムが開催された。

基調講演

テーマ

「震災と原発事故の経験・そこから平和のためにできることは何か」

講師

東京教区名誉補佐司教 幸田和生

 

シンポジウム

テーマ

「原発と向き合うなかから、目指すべき未来を探って」

  • シンポジスト:館脇章宏「みやぎ脱原発・風の会」事務局長
  • シンポジスト:中筋純 写真家・フリーライター・編集者
  • 司会進行:古屋敷一葉(援助修道会会員)

10月13日(月・祝)実行/分科会・派遣ミサ・ネットワークミーティング

分科会

元寺小路教会と北仙台教会を会場に9つの分科会が開かれた。

平和を求める派遣ミサ

ガクタン エドガル司教と札幌教区勝谷太治司教、大分教区森山信三司教、那覇教区ウェイン・フランシス・バーント司教、東京教区幸田和生名誉補佐司教、司祭団による平和を求める派遣ミサが大聖堂でささげられ、無事仙台大会が終了した。

※10月12日の基調講演・シンポジウムと10月13日の分科会の詳細は、教区報の次号以降に順次掲載いたします。

 

2025通常聖年コンサート「希望の巡礼者」典礼聖歌の世界を訪ねて

9月21日、年間第25主日のミサは、聖年行事の一環として、元寺小路教会で司教ミサが荘厳にささげられた。元寺小路教会大聖堂には、約200人が参列し、聖年の恵みを祈り求めた。

ミサ後、引き続き聖年記念コンサートが行われ、ミサに参加した人と、コンサートに来た人も含め、大聖堂にいっぱいの人が、聖年行事のコンサートを楽しんだ。このコンサートは、コロナ禍で寂しくなった教会に、再び大勢の人が来てくださるように、という願いを仲川久代さんが訴えたことから企画されたというものである。

幕開けは、元寺小路教会のオルガン奏者・渡辺恵子さんのパイプオルガンの演奏「最愛のイエスよ、我らここに集いて」というバッハの曲で、静かに心を整えた。その後、関西で活躍なさっているソプラノ歌手・仲川久代さんの歌うワーグナーの「厳かな殿堂」と典礼聖歌を聞くことができた。

次に、日頃から聖歌隊の指導をしてくださっている赤尾裕子先生指揮で一致した聖歌隊が典礼聖歌を歌い、信仰と共同体のすばらしさを感じさせ、参加者の心を打った。また、フィリピン共同体が歌った「神に身をささげて」という歌は、静かな心に染み入る曲で、「この世で一度しか通らない道。そう! だから、どんなことも後回しや無視しないで、今、私にできることをさせてください。私はこの道をもう二度と通れないからです」と歌う声は、ガクタン司教様も参加され、フィリピン・スピリットが表現できるようにと指導された。その、きれいに、見事に歌われた歌声に、参加者は惜しみない拍手を送った。

最後に教皇フランシスコ来日記念のオフィシャルソング「時のしるし」は仲川さん、聖歌隊だけではなく、伴奏で参加したケベック外国宣教会の信徒宣教者ジュリ・フェクトさんのギター、仙台天使園園長の土倉相(おさむ)さんのフルートも加わり、すばらしい「時のしるし」を感じさせるものであった。
その後、会場の全員が歌った「希望の巡礼者」の合唱で、「聖年の恵みによって、希望の巡礼者である私たちのうちに、天の宝へのあこがれが呼び覚まされ」たように感じたひと時であった。

この2日前、仙台荒町のオルゴール館で、仲川久代さんのコンサートが開催された。100人限定というコンサートであったが、仲川さんが奈良県のカトリック大和八木教会の所属信徒で、2011年の震災以来8年間、ライスカレーを作り、一人ずつ用にパックして冷凍し、大船渡ベースに送っていたご縁があり、今年さらに山林大火災を受けた大船渡を、何とか支援したいということで、すべて彼女はボランティアでということを願ったところ、会場使用料も無料にしてくださり、コンサートに来てくださった方のチケット代がすべて、来賓として招かれたカトリック大船渡教会の信徒会長である菅原圭一さんに、寄付を託し、大船渡市役所に届けていただきました。

教区広報委員 Sr.長谷川 昌子

 

各地区からのお便り

第1地区より

〈三八ブロック〉
楽しかった三八ブロック
サマーキャンプ

8月11日(月)、18人の子どもたちが参加して、八戸塩町教会の聖堂で 2025年の「三八ブロックサマーキャンプ」を開催しました。

塩町教会の2人の神父様、淳心会の神学生2人が参加してくださいました。

パトリック神父様から、大いに楽しみ、たくさんの友達を作ってほしい、テーマは「希望のうちに歩もう」です、という内容でご挨拶いただき、聖歌を歌い、お祈りをして、開始しました。

「SDG’s双六」、クイズ、コンゴの踊りをみんなで踊り、「冷やし中華」と「フルーツポンチ」の昼食をいただきました。

午後からは、アイスクリーム作り、ビデオ鑑賞「天地創造」、スイカ割り、パトリック神父様から、先ほどのビデオ鑑賞に登場した「ノアの箱舟」の物語と“希望の巡礼者”について話していただきました。

子ども発表タイムという、得意なことなどを発表する時間を作り、「ベトナム」のことを発表してくれる人、「空道」という武道の演武をしてくれる人がいました。

夕食は、カレーライスとスイカ割りのスイカをいただきました。

夜は、フォークダンスと花火です。

ジャスティン神父様から、家族の皆様に感謝し、来年も参加してほしいとご挨拶いただき、お祈りをささげ、記念写真を撮影して、事故もなく終わりました。

参加者は、元気に楽しんでくれました。参加者、ご家族の方に感謝!

浪打教会の松田様も参加してくださいました。アイスクリームの差入れをありがとうございました。運営に携わった皆様に感謝です。

聖霊の導きで、無事にサマーキャンプが終了できました。神に感謝!

牧山 智廣(八戸塩町教会)

 

〈三八ブロック/八戸塩町教会〉
聖ウルスラ修道会塩町修道院閉院
感謝のミサと鍵の引き渡し式

本年3月末をもって塩町修道院は閉院し、シスターたちは、仙台一本杉修道院に移動しました。その後、什器備品などの整理、電話などの公共料金及び建物の名義変更、設備改修など各方面の方々の尽力で終えることができ、2025 年7月末日をもって修道院の建物の管理を八戸塩町教会に移管することになりました。

その記念に、8月5日(火)17時から塩町修道院の聖堂で記念ミサを行い、18時過ぎから修道院の食堂へ会場を改めて、鍵の引き渡し式を行い Sr. 石井から石原会長に鍵を引き継ぎ、その後慰労の食事会を開いて、修道院の思い出を語り合いました。

今後の修道院の建物の使用については、現在皆さまからのご意見を募集していますので、よろしくお願いします。教会委員会を中心に有効な活用を考えていきたいと思います。

松田 大(浪打教会)

第2地区より

2025聖年第2地区合同大籠巡礼に参加して

北上・水沢・遠野・釜石・四ツ家・盛岡上堂・志家の各教会から参加の大籠巡礼の旅。盛岡からは、佐藤あつみさんの先唱でロザリオを唱え、四ツ家教会の横澤郁子さんの指導の下、聖歌を歌いながらバスで向かいました。

ごミサは、マルコ神父様・板垣神父様・堀江神父様そして懐かしいインセン神父様がおそろいで、大籠の殉教者の方々に思いをはせての黙とうをささげることから始まりました。板垣神父様のお説教の中で、世界各地で戦争が続いている今、ミサにあずかることができるのは当たり前ではなく特別なこと。この地の方々が信仰をつないでくれて今があること。それはまず神様からのお恵みが先にあることなど、気づきにつながるお言葉でした。ミサ後「殉教地大籠を守る会」の佐野会長さん岡田事務局長さんをはじめ会の皆様から、荒れ果てた大籠教会を今の姿に戻すまでのご苦労、板垣神父様とのつながりを伺い、その後資料館で伊達藩の殉教の歴史などの説明を受け、体力のある方はクルス館まで伺いました。これまでの歴史を感じ、自分だったらと思い改めて、イエス様の言葉を感じる旅でした。

最後に、巡礼の企画調整をしてくださった盛岡上堂教会の佐藤ご夫妻と殉教地大籠を守る会、大籠キリシタン殉教公園関係者の皆様に心からの感謝をささげ、旅のご報告といたします。

沼田 由子(志家教会)

第4地区より

〈仙台南ブロック〉担当司祭交代式

年間第 23 主日である9月7日は、一本杉教会にとって悲喜こもごもの1日であった。

悲しいことは、担当司祭であったギャリー・ゲストベオ神父の異動が発表されてから、この日が最後の日であったこと。喜びは、新任のロメロ・アルマンド・ツマリワン神父が着任なさったことである。

この日のミサは、ガクタン エドガル司教様の司式で、新旧お二人の神父様が両脇に並んで、荘厳に、ミサが始まった。

司教様は、まず、ギャリー神父様が、畳屋丁教会と一本杉教会で奉仕してくださったことへの感謝を述べ、次に新しくこの二つの教会で奉仕してくださるアルマンド神父様への感謝の言葉が述べられた。

福音朗読はアルマンド神父様の朗読で、初めて信者の皆さんに声が届いた瞬間であった。

続いて、司教様は説教の中で、フィレモンへの手紙を思い出させながら、かつて主人であったフィレモンが、彼の下から逃亡した奴隷であったオネシモを、キリストにおける兄弟として迎え入れてほしいと願っているように、新主任司祭を迎え入れ、愛に留まり、腰をすえて皆さんと一緒にイエス・キリストについて行くことを願っていると述べた。

説教の後、「新担当司祭の任命の儀」が行われた。信者たちにとっては、このような儀式は初めての経験であり、皆、関心をもって、熱心にこの儀式にあずかった。

最初に、ギャリー神父によって、新担当司祭の任命書が読み上げられた。
次いで、新担当司祭と参加者全員が起立し、信仰宣言を唱えた後、司教と新担当司祭との問答があり、福音宣教の務めをはたすこと、神の民の使徒的活動を導き励ますこと、秘跡によって信者を養うこと、ミサを忠実にささげること、社会の周縁に置かれた人々に正義と平和を促進することなどの決意が問われ、アルマンド神父様は「神の助けによって、そういたします」と力強く答えた。

司教が、会衆に祈りを呼びかけて、祈った後、新担当司祭をそれまで、祭壇の前中央に置かれ司教が座っていた座につかせ、信者一同が拍手を持って歓迎した。最後に3人が祭壇前に立ち、信者たちに挨拶した。

その後、ミサが続けられ、ミサ後、聖ウルスラ修道会の会場に場を移動し、歓送迎会を行った。

教区広報委員 Sr.長谷川 昌子

〈カテドラルブロック/元寺小路教会〉
インターナショナルミサと交流会開催

毎年、9月の世界難民移住移動者の日に行われている元寺小路教会のインターナショナルミサ。今年は2025聖年移住者の祝祭の日である10月5日(日)年間第27主日の9時 30 分から大聖堂で行われた。

参列者は、約40カ国350人。聖堂に入る前にそれぞれの出身国や、ルーツがある国の国旗シールを胸に貼り、ミサに臨んだ。

司式は、 ガクタン エドガル司教とイグナシオ神父、東京からベトナムグループと巡礼に来られたサレジオ会の春山ミカエル神父様、トゥリ神父様、申助祭。

入祭の歌は、スワヒリ語の「テゥインギ」。祭壇の地球儀にそえるローソクをもった子どもたちを先頭にカテドラルの聖年の扉を通ってミサが始まった。

聖歌隊は、元寺小路教会聖歌奉仕グループ、ISJ、英語ミサクワイア、ベトナム語ミサ聖歌隊のみなさん。伴奏は、信徒宣教者のジュリ・フェクトさん。

聖歌は日本語、スペイン語、英語、ベトナム語、韓国語、インドネシア語など各国語で歌われた。聖書朗読や、共同祈願も各国の言葉で話された。奉納は子どもたちが花を供え、ベトナムグループによるパンとぶどう酒、ダンスもささげられた。

共同祈願は7か国語で唱えられた

インターナショナルミサを象徴する地球儀とベトナムグループによる奉納のおどり

派遣の祝福の前に、司教様をはじめ、司祭団の紹介や、参加した方の国別の紹介があり、聖堂は大きな拍手で包まれた。

閉祭の歌は、 2025聖年の賛歌「希望の巡礼者」を3カ国語で歌われた。

ミサ後に、大聖堂前で交流パーティーが開かれた。司教様の挨拶の後、ベトナムやフィリピンチームのダンス、ISJ や聖歌奉仕グループ・ラテンアメリカグループによる歌、みんなで踊るマツケンサンバなど盛りだくさんのパフォーマンスが披露されました。

今年は、多くの方と挨拶を交わして、コミュニケーションを取ろうと、6カ国語の挨拶の言葉が書かれた「あいさつカード」を使って親交を深め合った。
最後に全員で、聖歌「あめのきさきを」を多言語で歌い、アヴェ・アヴェ・アヴェマリアの大合唱で締めくくった。久しぶりにお会いできる方もおられ、う
れしい1日になった事を神に感謝しながら終了した。

関 毅(元寺小路教会)

第5地区より

〈中通り北ブロック/野田町教会・松木町教会〉
巡礼バスツアー

野田町教会と松木町教会は、9月 20日(土)、自分たちのブロック内の小教区を巡礼しました。聖年の行事として計画されたこの巡礼には約40人が参加し、貸切バスで巡りました。

二本松教会、松木町教会では聖書のことばを聞き、共同祈願を唱え、聖年の賛歌「希望の巡礼者」を歌い、祈りをささげました。野田町教会では聖年の祈りを唱え、巡礼のミサにあずかりました。

二本松教会で 歴代司祭の写真が飾られていました

参加した皆さんの感想は「初めて巡礼に行った」「二本松教会は初めてだった」「近場の巡礼でも皆とバスで行けてよかった」「またこういう機会があれば参加したい」などが多く聞かれました。「よい経験なので毎年できたらいい」という感想もあり、参加した皆さんそれぞれによい刺激があったようでした。計画をリードしてくださった野田町教会のマチアス・アントニオ神父様、松木町教会の皆様、ありがとうございました!

渡邉 祐子(野田町教会)

 

教区の諸活動
司牧奉仕者、大船渡・陸前高田で研修

8月25日(月)~26日(火)、一泊二日で、「司牧奉仕者のつどい」が現地学習の形式で行われた。

これは、仙台司教区で奉仕している司牧奉仕者の生涯養成の一環として、研修会と同時に、仙台司教区の歴史、抱えている現実を知り、より良い司牧奉仕をするために、企画されているものである。

仙台司教区にとって 2011年に起こった東日本大震災を知るには、出向いていく現地学習がいちばん適しているものである。各地域の被害の現状を見る、知る、現実を経験することができる。

仙台教区の司牧奉仕者の中には、あの14年前の経験のない司牧奉仕者が増えている。昨年はその意味で福島を訪ね、今年は大船渡と陸前高田に行った。今回は、参加者は 21人で、教区司祭の参加が少なかったが、司牧奉仕者同士が親睦を深めることにも意味がある。

特に今回大船渡を選んだことには、大震災での地震と津波、そしてその海が火の海になったという大きな被害を受けたこの地の苦しみを知ることであった。その上、大船渡では山林火災を被っている地で

もあった。陸前高田の伝承館では、日本語による説明だけでなく、英語による説明をしてくださる方を準備してくださり、多国籍司牧奉仕者も「よくわかった」と好評であった。

親睦を深める意味で、1日目の夜は親睦会であったが、その席上高橋昌神父のダイヤモンド祝が祝われた。

「司牧奉仕者のつどい」という言葉が聞きなれないという方もいるかもしれないが、仙台司教区には、司祭だけでなく信徒宣教者も一緒に司牧している。
そのため、仙台司教区のために働く信徒宣教者にとっても、生涯養成の一環として有意義な経験だと評価されている。

仙台司教区事務局長
イグナシオ・マルティネス

陸前高田の「奇跡の一本松」の前で

 

信徒のつぶやき

のとのとなりに

2024年1月。能登半島地震支援のため、仙台市現地応援本部の先遣隊として派遣され、東日本大震災対応の経験を活かし、輪島市南志見(なじみ)地区の住民を金沢市で受け入れる広域避難支援などに従事しました。

業務の合間に、青年活動以来の友人である片岡義博神父を金沢教会に訪ねました。片岡神父はカリタスのとサポートセンター(以下「のとせん」)を、同じく友人であるカリタス南三陸の千葉道生さんたちと立ち上げる準備の最中で、共に現地の状況や必要な支援について情報交換しました。

3月には被災自治体支援のため現地応援本部員として再派遣されました。その際、私の所属する一本杉教会からの支援金を、守護聖人が同じ聖マリア・ゴレッティである七尾教会宛に、片岡神父へお渡ししました。

3月11日は、南志見に足を運びました。住民のほとんどが避難し不在の中、仮設住宅の建設が始まっていました。そこで出会った、避難先から南志見に通っている方の「主要道路が土砂崩れで通行止めとなり、残った峠道も閉塞し陸の孤島になるおそれがあるため、自衛隊などのヘリコプターで金沢市へと集落ごと集団避難した。東日本大震災から13年目の今日、東北から支援に来てくれた人と出会えたことに力づけられた。住民は高齢者が多く家も建て直せないかもしれないが、生まれ育った土地で最後まで住みたい。」という話は忘れられません。

現在、避難所はすべて閉鎖され、報道も減り、全国の関心も薄れがちですが、被災者の中長期的な暮らしの再建と心のケアはこれから長い年月を要します。

震災で全壊した輪島教会は、教会と「のとせん」の支援拠点が一体となった建物として、地域に開かれた共に歩んでゆく新しい教会として、再建されました。片岡神父は、教会が、私たちが、ここにいることが大切だと言います。「のとせん」のキャッチコピー「のとのとなりに」のとおり、被災者の側に共にいて、安心を届け続ける役割を果たしたいとのこと。

東日本大震災を経験した私たちは、震災後、関心が薄れつつある中で、復興が長く続くことを知っています。若い人には、ぜひ「のとせん」ボランティアに参加して欲しいと思います。復興のために働き、祈り分かち合うことで、被災者を支えるとともに、自分が被災した時に出来ることを知ることができます。

私も、祈りや教会のつながりを活かし「のとのとなりに」あり続けたいと思います。

御供 真人(一本杉教会)

司祭紹介

ロメロ・アルマンド・ツマリワン(淳心会)

生年月日

1983年5月8日

出身国・地

フィリピン共和国 カガヤン州トゥゲガラオ市

助祭叙階

2012年3月20日

司祭叙階

2012年11月17日

フィリピン/トゥゲガラオ市 セント・ルイス大学チャペル

 

主の平和が皆様と共にありますように。

私はアルマンド・ロメロ神父です。淳心会(CICM)の修道宣教師です。1983年5月8日、フィリピンのカガヤン州トゥゲガラオ市で生まれました。家族は母と三人の姉がおり、私は末っ子で唯一の息子です。

幼い頃から司祭、特に宣教師になりたいという思いがありましたが、家族にとっては私が遠い地で奉仕することを受け入れるのは簡単ではありませんでした。それでも、私は自分の召命に深い確信と喜びを感じ、神の導きを信じて歩み続けました。時が経つにつれ、家族は私の幸せと献身を目の当たりにし、祈りと忍耐、そして神の霊感によって、最終的には私の決断を受け入れ、今では心から応援してくれています。

私の日本での宣教の旅は、2009年9月11日に始まりました。最初はカトリック金剛教会に滞在し、大阪梅田で日本語を学びながら、大阪・高松大司教区堺ブロックで司牧体験と統合に取り組みました。2年間の語学学習と1年間の司牧養成を経て、2012年11月17日に司祭に叙階されました。

その後、堺ブロックで7年間奉仕し、姫路地区に配属され、姫路・佐用および加古川・西脇ブロックで主任司祭として働きました。この間、CICM アジア管区の管区書記も6年間務めました。

大阪・高松大司教区で約15年の宣教を経て、初めて大司教区外への新しい任務を受けました。2025年9月1日、仙台教区に着任し、現在はカトリック仙台教区司教館に住んでいます。第4地区仙台南部ブロックのカトリック一本杉教会とカトリック畳屋丁教会の担当司祭に任命されました。

この新しい宣教の機会を与えてくださった神に心から感謝しています。忠実に務めるための恵みと力を祈り、神の愛、慈しみ、善をすべての人に証しできるよう努めます。これからの歩みの中で、信徒の皆様の支え、導き、祈りに謙虚に頼りながら、神の導きを識別し、この宣教の新しい章を歩んでいきたいと思います。

仙台教区での奉仕を始めるにあたり、私のビジョンは、信仰、希望、愛に根ざした共同体を築くことです。誰もが歓迎され、価値を認められ、支え合う場所を目指します。共にそれぞれの賜物を認め合い、育み、神との関係を深めていけるよう励まし合いたいです。

教会の壁を越えて、困っている人々に手を差し伸べ、キリストの光を広く社会に分かち合う教会を夢見ています。特に苦しんでいる人や孤独を感じている人に、慰めと希望を届ける源となりたいです。赦し、思いやり、理解が満ちる家庭のような教会を目指しましょう。聖霊の声に耳を傾け、新しい可能性を受け入れ、神の呼びかけに寛大に応えていきましょう。共に平和の道具となり、神の愛の証人となれるよう願っています。

私たちの歩みが信仰、希望、愛に満ちたものとなりますように。共に交わりの中を歩み、私たちを呼び出してくださった主が、さらに深くそのみ心へと導いてくださいますように。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

2025年度仙台司教区 司祭派遣地

2025 年 12 月 1 日現在

  • 仙台教区本部 教 区 長:ガクタン エドガル 司教
  • 司 教 総 代 理:小野寺 洋一
  • 教区事務局長:イグナシオ・マルティネス
地区 ブロック 小教区 ( )は巡回教会 担当司祭 ◎印は地区長 ( )は所属 ▷は居住地 

1




弘前 弘前、五所川原、黒石 小松 史朗(仙台教区) ▷弘前
青森・下北 本町、(松丘)、浪打、大湊、野辺地 ◎李 錫/イ ソク(韓国 光州大司教区) ▷浪打
三八 八戸塩町、鮫町、十和田、(五戸)、三沢、久慈 パトリック・カストロベルデ ( 淳心会 ) ▷八戸塩町

ジャスティン・ルクサ 協力司祭 ( 淳心会 ) ▷八戸塩町

2

盛岡 花巻、北上、水沢 板垣 勤 ( 仙台教区 ) ▷四ツ家
岩手中部 花巻、北上、水沢 ◎マルコ・アントニオ・デ・ラ・ロサ ( グアダルペ宣教会 ) ▷水沢
岩手沿岸 遠野、宮古、釜石 堀江 節郎 ( イエズス会 ) ▷釜石

3

岩手南部 一関、千厩、築館、(新生園) 渡辺 彰宏 ( 仙台教区 ) ▷一関
三陸 気仙沼、大船渡、米川 バサ・イグナシウス・クリスティアヌス ( 神言会 ) ▷大船渡
宮城北部 古川、石巻 ◎ヴァレラ・ミゲル ( グアダルペ宣教会 ) ▷石巻

4

仙台東部 塩釜、東仙台 アンリ・バティバンガ ( 淳心会 ) ▷東仙台
仙台西部 北仙台、西仙台 ◎兪 鍾弼/ユ チョンピル ( ドミニコ会 ) ▷北仙台 
仙台南部 一本杉、畳屋丁 ロメロ・アルマンド・ツマリワン ( 淳心会 ) ▷司教館
カテドラル 元寺小路、八木山 イグナシオ・マルティネス ( グアダルペ宣教会 ) ▷元寺小路

髙木 健太郎 協力司祭 ( 仙台教区 ) ▷元寺小路
県南 亘理、角田、大河原、白石 小野寺 洋一 ( 仙台教区 ) ▷白石

5



中通り北 松木町、(桑折)、野田町、二本松 マチアス・アントニオ ( エスコラピオス修道会 ) ▷野田町

グエン・カオ・トゥリ 協力司祭( エスコラピオス修道会 ) ▷野田町
会津 会津若松、喜多方、南会津 會津 隆司 ( 仙台教区 ) ▷会津若松
中通り南 郡山、須賀川、白河 ◎佐藤 修 ( 仙台教区 ) ▷郡山
浜通り 原町、いわき、(湯本) 幸田 和生 名誉司教 ( 東京教区 ) ▷原町
  • 教区外へ異動:ギャリー・ゲストべオ (淳心会)
  • 研修:申 東賓/シン ドンビン 助祭(韓国 光州大司教区) ▷元寺小路
  • 協力司祭:川崎 忠紀 ▷第 1 司祭の家  佐々木 博、高橋 昌、佐藤 守也、 ▷第2司祭の家
  • 引退:平賀 徹夫 名誉司教 ▷第1司祭の家
  • 第2司祭の家担当:氏家 和仁 ▷第1司祭の家

 

編集後記

正義と平和全国集会が仙台で開催されました。世界情勢が平和とかけ離れていくように感じられる今日、改めて希望を持って進んで行かねばと考えさせられる大会でした。教区報はこの大会の取材のため、発行日を変更いたしました。ご了承ください。詳しい内容は次号から数回に分けて掲載する予定です。

仙台教区広報委員会では、皆様から原稿を募集しています。投稿は随時受け付けていますので、下記のアドレス宛てにメールで添付ファイルでお送りください。手紙の場合は教区事務所宛てに郵送してください。 (関 毅)

c-hasegawa@blue.ocn.ne.jp

次号発行予定日

2月1日(日)

原稿締め切り日

12月7日(日)

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